<丹波山から柳沢峠往復(R411)>                    走ったところ へ戻る
自宅のすぐそばを走っている「青梅街道」は、東京・新宿を起点として北多摩の各市、瑞穂町を貫いて、奥多摩エリアの入口・青梅市に至ります(都道5号線)。ここから青梅街道は国道411号線として奥多摩町、山梨県・丹波山村を経て、最高地点である柳沢峠(標高1472m)を越え山梨県・塩山から甲府に至ります。


柳沢峠越えはヒルクライムの初心者コースとして紹介されることが多く、輪行によるJR中央線・塩山駅から青梅線・奥多摩駅まで、またはそのまま青梅街道を都内まで走って行く、というのが一般的のようですが、年寄りにはかなり難度が高く、なかなか挑戦できません。


そこでまず奥多摩湖とその先の丹波山村まで一度走り、次に丹波山村から柳沢峠まで往復してみることにしました。例によってクルマにバイクを積んで丹波山村・道の駅の駐車場に止め、ここを出発点としました。この道の駅には立ち寄り湯「のめこい湯」が併設してあり(木曜日定休)、峠まで往復した汗を流すことができます。




柳沢峠への登りは、ヒルクライムの初心者コースとは言っても標高差は870m、平均斜度6.3%、所々それ以上の登り一辺倒の坂道です。幸い交通量がそれほど多くなく、トンネルが新設され道幅が拡張されているので走りやすいコースと言えます(現在も工事中)。


走ったのは9月中旬で、まだ残暑厳しく30℃を記録したような陽気でしたが、このルートは所々木陰があり、また標高が上がるにつれ「風が涼しい」から「肌寒い」にも感じられました。



 出発点の丹波山村・道の駅             一ノ瀬高橋トンネルの先ここから峠まで本格的な登り一辺倒がつづく
出発点の丹波山村・道の駅からしばらくは下りや平坦な部分もある登りなので、割合スイスイと走れます。しかし「もう半分来た、この程度なら楽勝、この調子で行けば良いな」との期待は、幾つかのトンネルを過ぎ、最後の一ノ瀬高橋トンネルを抜けた先にあるヘアピンカーブで無残に打ち砕かれてしまいました。

このヘアピンカーブから道路脇に家屋が見える一ノ瀬集落までが第一の難関です。このカーブで早くもギアを使い切ってしまい、以後峠まではLOW・28Tのままでした(もちろんフロントはインナー34T)。とにかくグングン上がって行くカーブをヒイコラと登って行くと、初めて家屋が見えるあたりから道路幅が広がった高原風の一ノ瀬集落に達します。もし休息を入れるとしたらここが良いのかも知れませんがタイラなところはありません。

さらに登って行くと左手に「名水わらび餅」が有名な山の湯宿「はまやらわ」があります。鬱蒼とした樹林に囲まれた宿と、道路際に土産物店がありましたが人影はまったくありませんでした。せっかくなので、店先の湧水のごちそうをいただきました。

「名水わらび餅」が有名な山の湯宿「はまやらわ」        景色が良いからと言い訳して橋梁上で休憩・峠はもうすぐ

この青梅街道は丹波山村からずっと多摩川の源流が左手に沿って流れています。クルマや二輪では気が付かないと思いますが、自転車では走行中の風切音の他にいろいろな周囲の音が聞こえ、このルートでは川の流れの音がずっと聞こえます。特に登りは超低速で走っているので風の音は聞こえず、渓流の音はウルサイくらいです。

一ノ瀬集落からしばらく登り、「はまやらわ」あたりからまた延々と続く坂と格闘が始まりますが、休んだので復帰しているはずの「脚力」は見当たりません。走り始めてホンの20mくらいは「いやこんな坂でもスイスイだな」と一瞬喜びますが、もうその後は休憩前の息も絶え絶えに戻ってしまいます。

たまらず景色のよい橋梁の上でまたもや休憩です。でも「自転車でなければこんなところで景色を見ることもできないだろう」と自分に言い訳して、最後の登りに自分を駆り立て、「もう2度とこんな所に来るものか!」と思いながらクランクを押していると、いつの間にか川の音が消え山影も横に見えるようになり、切通しのような峠のピークが見えてようやく到着です。

道の駅から17.5km、休憩を入れて2時間もかかりました。途中歩く速度ぐらいまで遅くなったこともあり平均速度は約10km/hでした。峠には売店があり、二輪車が何台も止まっていました。このルートはクルマと同じくらい二輪が多いですね。

 柳沢峠最高地点                         峠の茶屋(裏手に上がった所に立派な公共トイレがある)
柳沢峠へのサイクリング記事で必ず出てくる有名な「看板」の前で記念撮影です。残念ながら富士山は見えませんでしたが、大菩薩の山々がキレイに見えました。

そばのベンチで展望を楽しみながらランチと栄養補給を取り、しばらく休憩した後にお楽しみのヒルダウンです。

峠からいきなりの坂なので、適当に減速して下って行きながら「良くこんな坂を上がって来たな〜」と思う間もなく一ノ瀬集落を過ぎ、ヘアピンカーブをヒャッほーと言いながら回り、4つのトンネルをブッ飛ばして約30分で道の駅に到着しました。

ただこの日は午後から風が強くなり、半袖では寒いくらいでウインドブレーカーがあったら良かったなと思いました。
今までの何回かのヒルダウンで、速度が30km/h程度であれば十分コントロールしながら急カーブを曲がって行けるようになりましたが、40km/hに達するとさすがにこの様な山道のカーブ通過が不安になります。もしコケたら大変なことになるので、もうじき70歳になる年ヨリはこの位にしておいた方が良さそうです。

この日は終日青空が見える良い天気で、平日だったせいかクルマも少なかったようです。それでもずいぶん多くの二輪車を見かけましたが、途中でクルマと二輪車との事故に出会い、破損して道路際に転がっているバイクを見てしまいました。やっぱりこのルートは事故が多そうなので、自転車といえども速度は押さえないといけませんね。


なお今回は丹波山村までクルマで行ったので、奥多摩駅〜丹波山村間の同じ区間をクルマと自転車で走ったことになりますが、クルマでは道幅が狭くカーブが多いので結構疲れるのに対し、(不思議なことですが自転車の方がむしろ楽に走れるように感じてしまいました。特に下りは確実に自転車の方がイイですね。

「走ったところ」に戻る