<青梅から名栗湖(小沢峠・山王峠)>                   走ったところ へ戻る

東京から北西部に広がる奥武蔵と呼ばれる山塊地域があり、昔から日帰りハイキングコースで賑わっていましたが、標高が比較的低いためなのか最近ではその峠や山頂付近までにも道路が作られてしまい、山登りには少し面白くなくなってきました。しかし逆にヒルクライムが好きな健脚のロードバイク乗りには、これらの道を組み合わせたコースに人気があります。


名栗湖はこの奥武蔵の南端にある治水用人造湖で、一般的には西武池袋線またはJR八高線の飯能から入間川・名栗川に沿った県道70号線(名栗街道)を往復するコースになりますが、東京・青梅側から行こうとすると、どのルートでもいくつかの峠越えが必要になりヒルクライムが楽しめるコースになります。


出発点のJR青梅線・東青梅駅には、都内から走って行く場合にはJR八高線・拝島駅まで玉川上水側道を行き、国道16号線を横断して路肩が広い新奥多摩街道を行くのが良いと思います。またクルマの場合はこの周辺に幾つか利用可能な駐車場が点在しています。


ルートは東青梅駅の西を起点とする成木街道を行きますが、途中トンネルで近くなった近道を通ります。越える峠は往路が2つ、復路が2つですが、目的地の名栗湖・有間ダム堰堤に上がる急坂があります。


東青梅駅西から成木街道を徐々に登って行きます。小曾木街道との交差点を道なりに突っ切って最初のポイントは吹上峠とトンネルですが、トンネルは峠の向こうにあるので下り坂になります。この間は交通量が多くまたダンプカーの往来が激しいので、吹上トンネルの通過は轟音と風圧が必至となり、年寄りにはキツイのでトンネル内の歩道をゆっくり走った方が安全で良いと思います。


吹上トンネルを出るとすぐ交差点になり成木街道は右方向ですが、近道ができる左への道を上がって行きます。傾斜は徐々にきつくなって行き、左軍畑・右名栗の分かれ道を右折すると結構新しめの松ノ木トンネルが現れます。

幸いにもこの道に入るとダンプカーの姿がいつの間にか消え、タマに乗用車が通る程度になりますのでトンネル通過は楽勝です。

松ノ木トンネルを越え、下りきったところで成木街道に合流しますのでこの交差点を左折し、最初の難所である小沢峠への登りになります。
交差点からは平均斜度5%の坂を約1.5km上がりますが、峠に近づくと約9%・580mの勾配になります。頑張って上がって行くとトンネル右側に側道が見え、小沢トンネルの開通記念碑がありますのでここでひとまず休憩です。

 小沢トンネル入口                       小沢トンネル開通記念碑前で休憩
トンネルを抜けると飯能から来る名栗街道との交差点まで、平均9%、最大11%の急坂を下りますが、ヘアピンがあるのでスピードをセーブしながら下りて行きます。交差点を左に県道(成木街道・名栗街道)を行くのが一般的だと思いますが、交差点を突っ切り、橋を越えると集落内を通る交通量が少ない道がありますのでこの方が良いと思います。この道を道なりに進むと再び街道に出てしまいますが、これも斜めに突っ切って細い道を行きます。

この道が突き当るT字路を右手に上がって行くと、目的地の名栗湖・有間ダム堰堤に向かう道に入り、いよいよロードバイク乗りに有名な急坂にとりかかります。この坂は約1kmで平均斜度9.5%、一部12%という腕試し(脚試し)に持って来いの登りです。

 有間ダム堰堤へ上がる急坂                    有間ダム堰堤と名栗湖
休憩場所・ランチタイムに最適な場所としては堰堤の右手広場にベンチが数個あり、またトイレは50m先にあります。堰堤の上はクルマも通れるので、自転車より二輪車やクルマの方が多く停まっていました。


名栗湖には周囲を回る約4.5kmの道路がありますので、時間があれば走ってみても良いと思いますが、特に景色が良いポイントはありません。ただ名栗湖の一番西端にある橋までは結構アップダウンがありますが、そこから堰堤まで戻る南岸の道は不思議なほど起伏が無く、クルマもほとんど走っていないので快適なライドが楽しめます。なおこの周回路の途中には、見た目高価なレンズを付けた一眼レフを山の方に向けたオジサンが大勢おりました。何か珍しい鳥が出現するのでしょうか? (紅葉が始まったころ)


                         山王峠(ここはあまり大型車が通らない)
帰りは小沢峠越えが急勾配なので、東に迂回してやや勾配がゆるい
王峠
を越えるコトにしました。名栗街道を飯能方面に進み石原橋交差
点で山王峠へ右折
します。この峠は平均7%の勾配で約1kmです
が、峠手前の300mは約10%になります。


峠を越えやや長い坂を下って行くと、成木一丁目で小曾木街道に出ま
す。小曾木街道をそのまま西進すると往路の成木街道・吹上峠の北側
(成木八丁目)に出ますので、吹上トンネル通過を嫌って手前の
成木
2丁目西交差点を左折
することにしました。

ところがこの道も峠越えで、平均斜度9%・600m、一部12%の急坂
は疲れている帰りの身には非常に応え、これなら平均斜度5%の成木
街道の方がマシだったと反省しきりです。
青梅側からの名栗湖ルートは、最大斜度10%を越えるヒルクラコースになり、それなりに坂登りの覚悟が要りますが、当然ダウンヒルも楽しめますので面白いコースだと思います。ただ青梅側の成木街道や小曾木街道は、ダンプカーの往来が激しいので注意と我慢が必要です。

「走ったところ」に戻る