BESV JR1 |
JR1 でいつものCRコースやヒルクライムコースを1000kmほど走ってみた感想をまとめてみました。 まず JR1 に限らず e-Bike 全体について ・ 最初は「重い!」という感覚、ノーマルバイク(カーボンフレーム・ロードバイク)の様な取り回しができない ・ 逆に、重たいせいか走行中のドッシリ感があり、特に下り坂では安定感がある ・ 自重を含めて重量軽減に対する努力が必要ない(努力に見合う効果がほとんどない) ・ しかし・・・ノーマルバイクのような部品換装や改造はほとんどできない 次に他の e-Bike と比べた JR1 について ・ 圧倒的に軽い(16kg弱)→ ノンアシストでも思ったより軽快に走る ・ デザインがスバラシイ ・ バッテリーとモーター(後輪ハブ内蔵)の存在がチョット見では分からない ・ しかし・・・この構造は後輪の脱着がやや面倒になる ・ アシストにはEモード(重さキャンセルと等価のアシスト)、Sモード、Pモード(最大アシスト)があるが、 Sモードは踏力(トルク)に応じてアシストが自動的に変わるので、今までに経験したことが無い感覚がある ・Sモードでの漕ぎ出しのダッシュは凄まじい! あっという間に20km/h〜に達する(非常に楽しい!) JR1 はフロントフォークがアルミなので、腕に来る振動・衝撃がかなりあります。そこでその改善を目的にハンドルをカーボン製のものへ替え、またオリジナルの25Cタイヤを28Cタイヤに履替えています。 このタイヤでもアシスト走行可能距離・アシスト感はあまり変わらず、乗り心地はノーマルバイクより断然良く、太いタイヤでも10%を越える坂を周りの景色を見ながらラクラクと登れます。 気になるアシスト走行距離は、Eモードでは多少の坂があるコースで100km超、Sモードでは60km超が可能で、さらに本格的なヒルクライムコースではSモードで約30km程度です。 e-Bike は太いタイヤで乗り心地を改善し、同時に不整地走行にも対応したグラベルロード的に使うのが最も適していると思います。 |
R7000油圧ディスクブレーキ |
電動アシストシステム以外のロードバイクとしての仕様は、アルミフレームにアルミフォークというエントリークラス相当ではないかと思われます。 ただコンポーネントにはシマノが2018年4月にリリースした新105(R7000)が採用されています。シマノの油圧ディスクブレーキは、ロード用コンポではアルテグラまでだったのですが、このR7000で105にも採用されました。 どうやらロードバイクタイプであるJR1の発売(2018年7月予約受付開始)は、この新105コンポーネントのリリースを待っていたフシがありますが、油圧ディスクブレーキの採用は大正解だと思います。 |
クランクはシマノ・ホローテックではない |
一方クランクには105・ホローテックではなく、メーカー不明の(SRAM似!)モノが付いています。またクランク長は170mmです。 これはクランクにアシスト機能制御用のトルクセンサーを組み込む関係上やむを得なかったそうで、このことからクランクの換装は不可能ということになります。 この他にドロップハンドルは FSAのコンパクトハンドル(幅380mm、リーチ80mm、ドロップ125mm)で、サドルはセライタリアの廉価版(X3)が付いていました。 またカセットは11T〜32T(貧脚用のワイドギア?)、セミディープリムのホイールに25Cタイヤを履いています。 |
ハブにモーターを内蔵した後輪(アシスト部品はこれだけ) ダウンチューブに格納されたバッテリー | |||
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JR1のサイコン(アシスト関連を含めた表示装置) |
JR1のアシストモードはE(economy)、S(smart)、P(power)の3種類があります。ここでアシスト量に一定の上限があるEモードとフルであるPモードに対して、Sモードはクランクの踏込によるトルクを検知して、その状況に適切なアシスト量を与えるモードとなっており、単純にEとPモードの中間という位置づけではありません。 実際 Sモードに入れると、漕ぎ出しはかなり大きなアシストを発生しますが、すぐEモード相当のアシスト量になり、また踏み込むと自然にアシスト量が増加します。 またこのアシスト量はサイコン(アシスト関連を含めた表示装置)のバーグラフ表示で確認することができます。 |
左黄バーはアシスト量、右緑バーはバッテリー残量 |
このサイコンは他に例がないカラー液晶を採用しており、アシストモードでその表示色が「黒:ノーアシスト、青:Eモード、桃:Sモード、朱:Pモードと変わります。 しかしサイコン自体はやや小さめで数値による表示項目が少ないように思えます。カラー液晶のサイコン、という他にない特徴は分かりますが、モノクロでも問題はなく、カラーにするコストをより大型にして常時表示できる項目を増やす方に振り向けて欲しいと思います。 特に走行中一番気になるバッテリー残量は、メーターの左側に緑色の5段階のバーグラフで表示していますが、これを数字(%)で表示して欲しいモノです。 |
電源SW モードで色が変わる(Pモード) |
またアシスト電源の照光型スイッチがトップチューブにあり、このスイッチの照光色もアシストモードにより変わります。 このアイデアは店頭では見栄えがするかもしれませんが、走行中は下を見ることがないので全く意味がありません(メーカーの説明では他モデルに採用されていた部品の流用で、JR1 のために採用したものでは無いそうです)。 なお走行中の各モードの切り替えは、下ハンの上部に付けられたスイッチで行いますが、ブラケットを握った状態ではちょうど薬指がその位置に行きますのでとてもスムースに操作できます。 |
RANGEの表示(E―モード) |
また一番気になるアシスト継続時間=アシストによる最大走行距離ですが、これはサイコンで RANGE という項目で表示させることができます。 当初この数値は「バッテリー残量に各モードによる一定の値を乗じた値かな?」と勝手に考えていましたが、JR1 (あるいは BESV の電動アシスト製品全て?)ではそうではなく、今までの走行によるアシスト量を反映させた、各モードでの残りの最大走行距離= RANGE を計算しているとのことでした。 つまり同じ距離をEモード限定で走った場合とSモードで走った場合はもちろん、Sモードではその走り方によりこの RANGE が異なってきます。 |
Sモード |
しかし Eモード限定ではあまりアシストを感じないため、正直言っておもしろくありません。やはり Sモードでの強いアシストを感じて初めて e-Bikeを買ったのだな、と納得するのだと思います。そこでSモードに入れっぱなしで距離を稼ぐ方法をいろいろと試して見ました。 距離を稼ぐ=バッテリー消費を少なくする乗り方になりますが、もちろんアシストが無いノーマルバイクと同等ではハナシになりません。坂でも平地の巡行でも、ノーマルバイクよりラクに走れることが前提で e-Bike を購入しているので、その点を間違えるとタダの重いバイクを走らせていることになってしまいます*。 |
速度(横軸・km/h)に対するバッテリー消費率(縦軸) |
これをグラフにすると、図で横軸は走行速度(km/h)、縦軸は10km/hで走行している状態を1としたバッテリー消費率を示しています。 アシストの国内規格では、図で一点鎖線で示した様に10km/hで人力の200%のアシスト力を最大とし、24km/hで0に一様に減少することになっています。 また速度が上がることによる同じ距離の走行時間は、図で鎖線で、また両者を乗じた結果は実線で示されます。 |