e-Bike       BESV JR1   ロードバイクタイプの e-Bike

            ・JR1の特長、サイズと搭載コンポーネント
            ・電動アシストシステムとサイコン
            ・電動アシストの評価(アシスト走行はどのくらいできるか?)
            ・e-Bike の乗り方?(バッテリーをなるべく持たせる乗り方を考える)
    

BESV JR1 ロードバイクタイプの e-Bike
                                           BESV JR1
2017年秋から18年夏にかけて、一気に新しい e-Bike モデルが発売されました。日頃ヒルクラなどで非力を感じているシニアとしては非常に興味をそそられ、各モデルを詳細に検討し試乗もしてみました。

その中で特に注目したのが、あまり馴染のないBESV(ベスビー)という台湾大手IT企業のBIKE事業部が発売した、JR1というロードバイクタイプの e-Bike です。このモデルは他に比べ、バッテリーをダウンチューブと一体化したようなデザインと、クランクではなくリアハブにモータを内蔵させている点が、他のモデルにくらべ大きな特徴となっています。
従って他の e-Bike に比べかなり軽量で、また電動アシストバイクとすぐ分かるダウンチューブ上の大きなバッテリーや、クランク周りのモーターBOXが無く、リアハブ内蔵のモーターはカセットスプロケットに隠れるので、パット見ではダウンチューブがやや太いフツーのモデルにしか見えません(リアはママチャリなどの内装ギアケースに見える)。

JR1 でいつものCRコースやヒルクライムコースを1000kmほど走ってみた感想をまとめてみました。
まず JR1 に限らず e-Bike 全体について

 ・ 最初は「重い!」という感覚、ノーマルバイク(カーボンフレーム・ロードバイク)の様な取り回しができない
 ・ 逆に、重たいせいか走行中のドッシリ感があり、特に下り坂では安定感がある
 ・ 自重を含めて重量軽減に対する努力が必要ない(努力に見合う効果がほとんどない)
 ・ しかし・・・ノーマルバイクのような部品換装や改造はほとんどできない

次に他の e-Bike と比べた JR1 について

 ・ 圧倒的に軽い(16kg弱)→ ノンアシストでも思ったより軽快に走る
 ・ デザインがスバラシイ
 ・ バッテリーとモーター(後輪ハブ内蔵)の存在がチョット見では分からない
 ・ しかし・・・この構造は後輪の脱着がやや面倒になる

 ・ アシストにはEモード(重さキャンセルと等価のアシスト)、Sモード、Pモード(最大アシスト)があるが、
  Sモードは踏力(トルク)に応じてアシストが自動的に変わるので、今までに経験したことが無い感覚がある
 ・Sモードでの漕ぎ出しのダッシュは凄まじい! あっという間に20km/h〜に達する(非常に楽しい!

JR1 はフロントフォークがアルミなので、腕に来る振動・衝撃がかなりあります。そこでその改善を目的にハンドルをカーボン製のものへ替え、またオリジナルの25Cタイヤを28Cタイヤに履替えています。 このタイヤでもアシスト走行可能距離・アシスト感はあまり変わらず、乗り心地はノーマルバイクより断然良く、太いタイヤでも10%を越える坂を周りの景色を見ながらラクラクと登れます。

気になるアシスト走行距離は、Eモードでは多少の坂があるコースで100km超Sモードでは60km超が可能で、さらに本格的なヒルクライムコースではSモードで約30km程度です。

e-Bike は太いタイヤで乗り心地を改善し、同時に不整地走行にも対応したグラベルロード的に使うのが最も適していると思います。
(*BESVは電動アシスト自転車のみの専業メーカーです。BESV日本支社は代官山にありますが、購入後のフォローは
  迅速丁寧で信頼が持てるメーカーだと思います。)

○JR1の特長、サイズと搭載コンポーネント

e-Bike を比較検討する場合、第一に重視されるのは「重量」と「バッテリー容量」で、この2つで電動アシスト走行が可能な距離がほぼ決まってきます。モーター出力はMTBタイプを除き、どのモデルでも200~300Wで電圧は36Vが標準です(先行したYPJ-R/Cはバッテリー電圧が25.2V、2.4Ah(電力容量:60Wh)と小さく非力だった)。

BESV JR1 の重量は15.7kg(XS)と他に比べ軽量である点が大きな特長です。この重量値は先行して発売されたYPJ-Rとほぼ同じですが、バッテリー電力容量が約4.2倍である点が大きく異なります。バッテリー容量は7Ahと他に比べ少ない方ですが、それでも電動アシスト走行可能距離は130kmを越えています(カタログ値)。これは重量が軽いことと、ハブ内蔵モーター方式によるものと思われます。また搭載しているバッテリーは2017年の時点で、容量/重量比が業界No.1の高性能な製品だそうです。

JR1 にはXSとMの2サイズがあり、XSは適応身長160〜170cm、Mは170〜180cmとなっています。一般にロードバイクのカタログに記載されている適応身長は日本人の体格には合わないことが多いのですが、XSサイズは165cmで乗ってみてピッタリのサイズ感がありました。これは水平換算トップチューブ長が515mm(Mサイズは545mm)、ステム長が80mmである点を見ても、ターゲットを(シニアを含め)日本人に合わせていると思わせるサイズです。

                               R7000油圧ディスクブレーキ
電動アシストシステム以外のロードバイクとしての仕様は、アルミフレームにアルミフォークというエントリークラス相当ではないかと思われます。

ただコンポーネントにはシマノが2018年4月にリリースした新105(R7000)が採用されています。シマノの油圧ディスクブレーキは、ロード用コンポではアルテグラまでだったのですが、このR7000で105にも採用されました。

どうやらロードバイクタイプであるJR1の発売(2018年7月予約受付開始)は、この新105コンポーネントのリリースを待っていたフシがありますが、油圧ディスクブレーキの採用は大正解だと思います。
                         クランクはシマノ・ホローテックではない
一方クランクには105・ホローテックではなく、メーカー不明の(SRAM似!)モノが付いています。またクランク長は170mmです。

これはクランクにアシスト機能制御用のトルクセンサーを組み込む関係上やむを得なかったそうで、このことからクランクの換装は不可能ということになります。

この他にドロップハンドルは FSAのコンパクトハンドル(幅380mm、リーチ80mm、ドロップ125mm)で、サドルはセライタリアの廉価版(X3)が付いていました。
またカセットは11T〜32T(貧脚用のワイドギア?)、セミディープリムのホイールに25Cタイヤを履いています。
購入して最初に行った重量の測定結果は以下の様でした。
 ・全体重量 15.76kg(カタログ値15.7kg)
 ・フロントホイール重量 1.15kg (タイヤ込 1.5kg)
 (リアホイールはモーターとカセットを外すことができないので参考値3.91kgです)
 ・バッテリー重量 1.45kg
このようにリアにモーターがあるため持ち上げると後ろがズッシリと重く、バイクハンガーに掛ける時はヨッコラショになります。

重量測定を行って、ホイール、バッテリーの重量を除いたフレーム+フォークの重量は約8kgでした。もしフォークがカーボンだとすると7.5kg程度になりますから、ワイヤー類がフレーム内蔵でコンポが油圧ディスクブレーキの105のエントリーからミドルクラスのモデル相当になると思います。これより価格を考えると、油圧ディスクブレーキ関連パーツを考慮して、約半分が電動アシスト関連に相当するのではないかと推定されます(さらにその1/3がバッテリー分)。

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○電動アシストシステムとサイコン

この JR1 は後輪のハブにモーターを内蔵している点が他のモデルと異なります。これによりスッキリしたデザインと軽量化が図られ、またこの方式はクランク回転のアシストより効率が良いとされている他に、アシスト機構はハブに収まったモーター(周辺部品を含む)だけなので、故障時などのメンテナンスはフレームから外した単体で行えるメリットがあります。

しかし後輪が重く、重量配分が後ろに偏るためMTBには向きません。またパンクなどで後輪を外す場合、前輪のようにスルーアクスルを抜くようには簡単にいきません。走行中にパンクしてチューブ交換を余儀なくされる状況ではやや苦労することになるでしょう。



ハブにモーターを内蔵した後輪(アシスト部品はこれだけ)  ダウンチューブに格納されたバッテリー
バッテリーはダウンチューブに格納されていますが、外さずに充電器からコードを伸ばして充電することができるのは結構便利です。充電時はサイコンの残量表示のバーグラフ(満充電で5本表示)が点滅し、終了すると充電器電源のランプが赤から緑に変わります(小さくてよく見えない)。バッテリー自体は1.5kgと軽いので、費用さえ許せば予備バッテリーを持つことで相当な遠距離のライドが可能です。

JR1のサイコン(アシスト関連を含めた表示装置)    
JR1のアシストモードはE(economy)、S(smart)、P(power)の3種類があります。ここでアシスト量に一定の上限があるEモードとフルであるPモードに対して、Sモードはクランクの踏込によるトルクを検知して、その状況に適切なアシスト量を与えるモードとなっており、単純にEとPモードの中間という位置づけではありません。

実際 Sモードに入れると、漕ぎ出しはかなり大きなアシストを発生しますが、すぐEモード相当のアシスト量になり、また踏み込むと自然にアシスト量が増加します。

またこのアシスト量はサイコン(アシスト関連を含めた表示装置)のバーグラフ表示で確認することができます。
サイコンで同時に表示できる項目はアシストモード(全体色と英字)、アシスト量、バッテリー残量(バーグラフ)、速度とフツーのサイコンで表示できる走行距離などの項目の内1つだけを、前もって選んだ項目からSWを押して選択し表示することができます。
                           左黄バーはアシスト量、右緑バーはバッテリー残

このサイコンは他に例がないカラー液晶を採用しており、アシストモードでその表示色が「黒:ノーアシスト、青:Eモード、桃:Sモード、朱:Pモードと変わります。

しかしサイコン自体はやや小さめで数値による表示項目が少ないように思えます。カラー液晶のサイコン、という他にない特徴は分かりますが、モノクロでも問題はなく、カラーにするコストをより大型にして常時表示できる項目を増やす方に振り向けて欲しいと思います。

特に走行中一番気になるバッテリー残量は、メーターの左側に緑色の5段階のバーグラフで表示していますが、これを数字(%)で表示して欲しいモノです。
電源SW モードで色が変わる(Pモード)  
またアシスト電源の照光型スイッチがトップチューブにあり、このスイッチの照光色もアシストモードにより変わります。

このアイデアは店頭では見栄えがするかもしれませんが、走行中は下を見ることがないので全く意味がありません(メーカーの説明では他モデルに採用されていた部品の流用で、JR1 のために採用したものでは無いそうです)。

なお走行中の各モードの切り替えは、下ハンの上部に付けられたスイッチで行いますが、ブラケットを握った状態ではちょうど薬指がその位置に行きますのでとてもスムースに操作できます。
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○電動アシストの評価(アシスト走行はどのくらいできるか?)

最初に電動アシストの実際はどの程度なのか、重量が7.5kgのカーボンフレーム・ロードバイク・アルテグラ装備(以下ノーマルバイクとする)と比較してみました。

まず今までのノーマルバイクでの平地走行では、クランクがアウターでスプロケは大体19Tぐらいがフツーでした。これに対して JR1 でノンアシストの場合、大体スプロケが23T程度(+2枚)で同様のペダル踏込感になり、スピードは落ちますがノンアシストでも走れ無いことはありません。ここでEモードにするとスプロケは20Tぐらいで同程度になり、ノーマルバイクとほぼ同じように走ることができますが、漕ぎ出しでのアシストはわずかに感じる程度です。

次に Sモードですが、このモードはアシストがいわゆる低、中、高の中ではなく、E から Pモードまでのアシスト量をクランクの踏み込み程度によって最適なアシストを与えるというモード(スマート)です。従っていつも中程度のアシストではなく、漕ぎ出しで強く踏むとフッ飛んで行くようなアシストがあり、逆に坂でもギアを上げてゆっくり走るとアシストが抑えられます。つまり走り方でアシスト量が変わるので、その時の足への負荷とスピードをうまく選ぶことで、体力とバッテリー容量を効率よく消費する走りができることになります。
                                RANGEの表示(E―モード)
また一番気になるアシスト継続時間=アシストによる最大走行距離ですが、これはサイコンで RANGE という項目で表示させることができます。

当初この数値は「バッテリー残量に各モードによる一定の値を乗じた値かな?」と勝手に考えていましたが、JR1 (あるいは BESV の電動アシスト製品全て?)ではそうではなく、今までの走行によるアシスト量を反映させた、各モードでの残りの最大走行距離= RANGE を計算しているとのことでした。

つまり同じ距離をEモード限定で走った場合とSモードで走った場合はもちろん、Sモードではその走り方によりこの RANGE が異なってきます。
具体的な例として、まず標高差44mのほぼ平坦路をEモード限定で走ったところ、12.4km走った地点で RANGE の値が121kmを表示し、これよりEモードでの走行可能距離は133km(12.4km+121km)となりました。この値はカタログにある138kmとほぼ同じですが、走行中常にクランクを回していた訳でもなく(アシストがかかっていた訳ではなく)、この値が何を意味するのかははっきりしません。

次にいつも走っている30km程度のコースを同様にEモード限定で走ってみました。このコースは下に示すように全体の2/3程度が小さいアップダウン、残りはほぼ平坦で、スタート地点からの標高差は約80m、坂の最大傾斜は4〜5%程度になります。このコースをEモード限定で走った感じでは、ノーマルバイクの時よりややキツイ気がしました。なおこの時のタイヤは28C(オリジナルは25C)、総重量は15.7kg(本体)+2.3kg(装備品)=18kg、体重は63kgです。



その結果は30km走行後での RANGE は80km、従って走行可能距離は30km+80km=110kmという事になります。
またこの時バッテリー残量表示は5からちょうど4になった状態でしたので、走行可能距離は30km×4=120kmという事になり、このように適当に坂があるコースをEモード限定で走った場合100kmを越えて走れそうです。

次に同じコースを今度はSモード限定で走ってみました。Sモードに入れっぱなしだと、信号などの漕ぎ出しは素早くかつ足に負担なく走りだします。またこのコース程度の坂ではまったく登っているような感覚はなく、平坦路と同様に周りの景色を見ながらシュウシュウと上がります。また全体に非常に楽に走ることができ、平均速度もノーマルバイクの時より確実に数km/h程度速くなります。30kmを走った後の RANGE の値はE:43km、S:32km、バッテリー残量表示は3から4の間でした。従ってこのようなコースでは、Sモード限定で60km程度は走れることになります。

ここで RANGE の値についてですが、Eモードで110〜120kmという実績を確認した後に、再びバッテリーを満充電した後の RANGE は100kmとなり、アレ10kmも少ないナアという感じでした。 RANGE という情報は「それまで走って来た状態を元にしてあとどのくらい走れるか」を算出している値ですが、これから走る状態(坂とか、信号で止まる回数とか)は今までの経過と異なるのであまり確定的な情報とは言えません。

例えば「これから先は登坂が多いから、表示されている RANGE の距離は走れないだろう」とか、「もう帰りに登り坂は無いのでこの値よりは長く走れるだろう」程度の予想はできますが、実際に走ってみるとこの値が少なく表示される傾向があり、あまり参考にならない印象があります。

やはり一番気になるのはバッテリー残量ですが、このサイコンでは5段階のバーグラフ表示なので、いつ1つのバーが消えるのかが走っていて非常に気になり、この残量値を数字で表示してもらえないだろうかと強く思います。

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○e-Bike の乗り方?(バッテリーをなるべくもたせる乗り方)

JR1 は電動アシストがあるため、どんな乗り方でも(スプロケがTOPのままでも)軽く動いてしまいますが、あくまで長距離ライドを目的とするロードバイクタイプなので、それに適した乗り方があると思います。

いろいろ乗ってみた結果では「平坦なコースではEモード限定に」、「登り坂ではSモードに入れペダルへの負荷が軽くなったらすぐ Eモードに入れる」、という方法が一番距離を延ばせると思います。このモードの切り替えはスプロケ・ギアのアップダウンと似ていますが、ギアチェンジなしにスイッチポンで大幅に、かつ瞬時に踏み込む力が軽くなり、同時に速度が上がる、というものです。
                                  Sモード
しかし Eモード限定ではあまりアシストを感じないため、正直言っておもしろくありません。やはり Sモードでの強いアシストを感じて初めて e-Bikeを買ったのだな、と納得するのだと思います。そこでSモードに入れっぱなしで距離を稼ぐ方法をいろいろと試して見ました。

距離を稼ぐ=バッテリー消費を少なくする乗り方になりますが、もちろんアシストが無いノーマルバイクと同等ではハナシになりません。坂でも平地の巡行でも、ノーマルバイクよりラクに走れることが前提で e-Bike を購入しているので、その点を間違えるとタダの重いバイクを走らせていることになってしまいます
もし全コースをEモードで走るのなら電アシに乗る必要はありません。そもそもEモードは、アシスト装備のため重量が増加した分をキャンセルするのと同等なアシスト量なので、よっぽど今までのノーマルバイクに乗った方が良いことになります。電アシのご利益は上り坂はもちろんですが、これに加え漕ぎだしと向かい風でのアシスト、疲れが激しい帰り道へのご褒美です。

Sモードでの走り方のカギは走行速度にあります。これはアシスト規格により速度に対する最大アシスト量が決まっていることと、(当たり前ですが)同時に同じ距離を走る時間が変わることによります。つまり速度を上げるとアシスト量は少なく、かつ走る時間が短くなるのでバッテリーの消費(Ah)が少なくなるという理屈です。

                    速度(横軸・km/h)に対するバッテリー消費率(縦軸)
これをグラフにすると、図で横軸は走行速度(km/h)、縦軸は10km/hで走行している状態を1としたバッテリー消費率を示しています。

アシストの国内規格では、図で一点鎖線で示した様に10km/hで人力の200%のアシスト力を最大とし、24km/hで0に一様に減少することになっています。

また速度が上がることによる同じ距離の走行時間は、図で鎖線で、また両者を乗じた結果は実線で示されます。
これによるとバッテリー消費が一番大きい10km/hから速度を上げていくとバッテリー消費率は減少し、例えば14km/hでは約半分、21km/hでは10%程度になります。さらにこのアシスト量は「その速度の最大アシスト量」なので、Sモードの制御動作のようにクランクにかかるトルクが小さくなれば(慣性によりトルクが減少して)さらにバッテリー消費は少なくなります。

つまり平地であれ坂であれなるべく早い速度で走ることを心がければ、バッテリーの消費は少なくなるという当たり前のハナシなのですが、具体的には次のような走り方になります(したがって平均速度が上がります)。

まず巡航時ですが遅くても22〜25km/h以上で走るようにします。一例としてほぼ平坦な72.5kmのコースをSモードに入れっぱなしでこの様な走り方をしたところ、RANGEの値が16kmとなっていました。これより約90km弱はSモードで走れるということになります。平坦ならEモードで十分、と思われるかもしれませんが、交差点や安全走行・徐行の後の漕ぎだしが非常に楽になり、すぐ巡航速度に復帰できます。なおSモードでは24km/hに近づいてもEモードよりやや強いアシストを感じます。

次に坂での走り方についてですが、登り始めはEモードで苦しくなるまで頑張り、ここまでとなったらSモードに入れますが、このような時は大体10km/h程度に速度が落ちています。ここでSモードに入れると最大アシストのPモードと同じになり、過大なアシストになっています。ラクはラクなのですが必要なアシスト量はEモードの2〜3倍で十分なので、このままだと必要のないバッテリー消費が進んでしまうということになります。

そこでSモードに入れたら漕げる限界まで速度を上げるのがコツになります。速度を上げることでバッテリー消費を極力抑えるというのがSモードでの乗り方だと思います(できればトルクがかかってもPモードの2/3程度が限界のセミSモード?が欲しい所です)。

以上のように JR1 では、速度を考えながらノーマルバイクと同じように適切なギアを選んでぺダリングをすることでかなりの距離を走ることができると思います。ここで「Pモードは何時使うのか?」という疑問が湧いてきますが、実はSモードに入れておけばペダルにかかるトルクによってEからPモードまでのアシストが自動的にかかるので、ヒルクライムでもPモードに入れる状況はありません。つまりPモードは必要ないことになります。しかし商品としては仕様表示に必要なのでは無いのかなと勝手に思っています。
(理想的に言えば、ノンアシストモード、Eモード(フルアシストの10%Max)、S1モード(Eからフルアシストの70%Maxまで)、S2モード(Eからフルアシストまで)の切り替えができればいいのにな

なおアシストを切った状態では重くてハナシにならない、ということはありません。このバイクは他の e-Bike と比べ軽いので、ギアを2段ほど落とせばノーマルバイクと同様に漕ぎ出すことができます。またスピードにノルとホイールの慣性が大きいのでやや重いノーマルバイクのように走ることができるので、バッテリー切れを極端に気にする必要はありません。これは JR1 の大きな特長の一つだと思います。

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