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サイクルライフ   アフター古希のサイクルライフ

                    ・高齢者のサイクルライフはこのように?
                    ・電動アシストスポーツバイクを強くオススメ
                    ・ケガ(体験談)と走行時の危険な状況、対人障害保険
          

アフター古希のサイクルライフ

アラ還を過ぎて始めたスポーツ自転車も、気が付けばもうアフター古希になり、以前では良く分からなかった加齢による身体の異常進行がはっきりと感じられるようになりました。

それでも何とか「気の持ちよう・考え方」と「いろいろな工夫」でサイクルライフを楽しんできましたが、その中にもしかして参考になることでもあればと思いまとめてみました。

○高齢者のサイクルライフはこのように?

一般的に言って、高齢者が競争(レース)を目的としたロードバイクに乗ることはオカシイことかもしれません。若い時からロードバイクで走り回り、そのまま年をとった、という場合は別にして、特に今までこの種の自転車に乗ったことが無い人が高齢になってロードバイクに乗るのは止めておきなさい、というのが世間一般の「空気」かもしれません。

そんな空気の中で如何にサイクルライフを楽しむかとやってきましたが、その結果は非力な年寄りでも楽に走ることができるバイクと、歳に合った走り方と楽しみ方を工夫することでした。

 ・頑張ったり他人と競わない(特に若い人と)

スポーツバイクに乗り始めて、最初は近場の公園や自転車専用道を走り、次第に一般道を走って遠くまで行ったり峠道などのヒルクライムを始める、というのがフツーの流れですが、どこにでもローディーはいるもので、すぐ抜かれたりすると、どうしても非力な自分と比較したくなると思います。


                              多摩湖(東京都東村山市)から富士を望む

でも決して彼らと競ってはいけません。初めの内はフレームやホイール、タイヤの知識が無いのでパッと見では分からないと思いますが、上級者になればなるほどそのバイクや部品は比較できないほど良いもの(高価なもの)を使っています。

また年齢も違います。もしあと5年でも早くロードバイクに乗っていたら、と思うことは多いのですが残念ながらもうこの歳です。ノロノロでもロードバイクに乗っていること自体で十分と考える方が精神的に良いと思います。  頑張ることは即寿命(ロードバイクに乗れる時間)を短くすることだとキモに命じるべきです。

くれぐれも若い人と比べて無理をしないように、必要以上に頑張らないように、これが高齢者のローディー(老ディー)の心得だと思います。なおここで若い人と言っているのは何も2〜30代の本当に若い人ではありません。  4〜50代を指しています、念のため。

 ・ライディングスタイルについて

ロードバイクに乗ろうとする時にMTBやクロスバイクと違う点は、カチッとしたライディングスタイルにあると思います。身体の寸法からフレームとクランク、ハンドル幅などのサイズが決まり、サドルと、ハンドルの高さ&位置が最適化され、それに合わせたライディングスタイルがコレ、というのが「ロードバイクの教え」にあるのですが、年寄りにはその教えに従って乗ることは多分ないと思います。

歳をとるとフツー身体は固くなり、また誰でも昔のケガ、病気の痕跡が響き、そうでなくても全体のチョウツガイがきしんでいます。これはもう回復しないし鍛えることもできません。従って各人のできる範囲でなるべくロードバイクの教えに近づけようとするのですが、あまり無理をするとロードバイクを始めたことで体を痛めることにもなりかねません。

そもそもロードバイクは「スピードを出すための自転車」なので、その必要が無いのなら「教え」自体もバイブルではありません。

ではクロスバイクで十分では、ということになるのですが、実はクロスバイクと比べると同じ体力で走れる距離や速度、登れる傾斜が違ってきます。つまりロードバイクの方が「楽」に走れるのです。

従ってロードバイクで自分のカラダと相談の上、最適なオリジナルのライディングスタイルを探し求めるのが重要だと思います。例えば高齢者で一番問題になるのが前傾姿勢を決めるハンドルの高さだと思いますが、巡航がせいぜい25〜30km/h程度であるのなら、ハンドルを「教え」通りに低くしても大したメリットはありません。

また教科書的なライディングスタイルが身体の痛みにつながる、と思われる場合、ロードバイクのドロップハンドルを思い切って替えるという方法もあります。ハンドル回りは乗車姿勢に大きく関係するので、このようなことも検討に値すると思います。

 ・とにかく軽いバイクを

当たり前ですがバイク自体が重ければ楽には走れません。軽いバイクはもちろん若い人にも意味がありますが、特に年寄りには効果抜群です。鍛えることもできず、いまある体力をなるべく温存して効率的に使っていくしかない年寄りには、少しの力で動かせる軽いバイクは必須です。


                            多摩湖(東京都武蔵大和市)と影富士

軽いバイクと言えばもちろんカーボンフレームです。昔と違って今はこのカーボンフレームのバイクがあるからこそ、年寄りにもロードバイクでツーリングやある程度のヒルクライムを楽しむことが可能になった、と言えるのかも知れません。

軽くする、といっても、非常に効果的なのは回転する部品すなわち車輪(ホイール、タイヤ、チューブ)と駆動部分(クランク、ギア、チェーン)です。同じ軽量化でも、フレームが200g軽くなってもほとんど影響がないのに対し、ホイールが200g軽くなれば誰でもその効果が分かります。

ある程度のレベルのバイクを購入したら、コンポのレベルを上げることなどより、とにかくホイール関係に限られた予算を投入するのが正解です。最初に購入したバイクと同程度の価格か、それ以上のホイールで走っている人は少なくありません。ただし、周りから呆れ返って見られることは必至ですが、それがロードバイクのセカイだと思います。

 ・自転車は高齢者の有酸素運動に最適と言う話

リタイヤ生活に入ると「このままでは身体がなまってしまう」と言うことで、まず考えるのがウォーキングでも始めようか、になるわけですが、しばらく歳をとっていくと「膝が痛くて歩けない」とか、「足がシビレたり痛くなって長く歩けない」という状態になる確率が高くなります。

こうなると立って歩くことに支障が出るのでどのようなスポーツもできない、ということになりますが、この様な場合「自転車」が救世主になります。歩くときは体重が膝にかかるのでこのような状態になるのですが、自転車では体重をサドルが支えるためペダルを回せられれば、歩くよりずっと楽に有酸素運動ができます。

また足のシビレの原因は多くの場合、加齢による腰(脊髄)の神経圧迫とされていますが、歩いていてシビレにより立ち止まってしまう場合、腰を折って前かがみになるとスーとシビレがなくなります。この前かがみになって腰を折る状態は、ズバリロードバイクの乗車姿勢に等しくなります。

このようにロードバイクはトシヨリにとって有酸素運動の有効な手段になるのかも知れません。

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電動アシストスポーツバイクを強くおススメ

電動アシスト自転車は日本の発明品ですが、その為ママチャリで子供を乗せて走るイメージが強いと思います。 しかしこの数年、特にヨーロッパでスポーツバイクに電動アシストを導入したバイクが普及しています。

最近このようなバイクをe-Bikeと呼ぶのが一般的になりつつありますが、この波が2017年の秋から日本にも押し寄せ、2018年にかけて一気に十種類以上の e-Bike が発売され、その売れ行きも中高年を中心に増加しています。

ここで e-Bike について、果たしてシニアに最適なバイクなのか、その使い勝手を検証してみました。興味がありましたら 電動アシストスポーツバイク(e-Bike) をご覧ください。結論から言うと、e-Bike はまさに老ディーが待ち望んでいたスポーツバイクでした。

何が一番かと言うと、前項で「とにかく軽いバイクを」と頑張っていた方向が無意味になります。軽いバイクにするためにはある程度乗り心地を犠牲にしなければなりませんが、電アシバイクはこれが必要なくなります。

例えば重量を抑えるためにグラム単位でパーツを選んでいた努力はまったく無意味になります。それは多少重くなっても e-Bike では枝葉の意味しかありません。

またタイヤについても、一般的な23C/25Cに対し28Cや32Cにして空気圧を5〜6ataぐらいにすると、その乗り心地は大きく改善します。フツータイヤを太くすると乗り出しや坂で明らかに不利となりますが、これが e-Bike では無関係になり、さらに安定性と不整地走行もOK、がオマケにつきます。

また装備品(アクセサリ)も重くなることを避ける必要がないためつけホーダイです。例えばMTBなどに装備されているキックスタンドですが、これを付けるとものすごく便利です! 当たり前ですが駐輪時にバイクを何かに持たせかける、というのはスリキズなどに結構注意が必要ですがその心配は無くなる、と言うか、これがあると想像以上に便利な場面が多いことに気が付きます。

歳をとったら e-Bike 、特にアフター古希のサイクリストには強くオススメです。

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○ケガ(体験談)と走行時の危険な状況、対人障害保険

MTBやロードバイクに乗リ始めて、最初のころは あ!アブナイ と思ったことは大体3か月に一回ぐらい、実際に倒れそうになったことは半年に一回くらい、そして見事にコケて肩を打ってしまったことが一度ありました。

自転車に乗っていて倒れそうになる、倒れた、という場面は全部同じです。走っている最中ではありません。必ず意図しない場面で急に止まる時、例えば行けると思った交差点で横から来る人や自転車を感知し、体はイケ、頭はトマレ、となった瞬間ブレーキがかかりそのまま横に倒れる、と言った状況です。また必ず左に倒れました。

フラットペダルの時は体が地面に着くことはなかったのですが、ビンディングペダルを装着していて、自転車が倒れるまでの間にビンディングを外すことができず、そのまま地面に肩が当たってしまったことがありました。

後でこのことを検証してみると、往復70kmぐらいのコースの帰り道、向かい風のため時間が予想以上にかかり、11月の終わりだったため日没時間が早く、道を間違えて戻る途中近道を見つけて急に止まろうとした時に倒れました。やはり疲れているとき、時間に追われて余裕がないときなどはアブナイですね。

走行中ではないのですが、自転車をいじっている時に工具の扱いを誤ってケガをすることが時々あります。工具を扱うのは自転車とは別の趣味があるため日常的なことなのですが、やはり慣れや集中していないとき、工具を取りに行くのが面倒で代わりのモノでやってしまおう、などの場面で良く手を打ったり、指を切ってしまうことがあります。

歳をとると確実に握力が無くなり、目も悪くなる訳ですが、何よりケガをした後の回復力が非常に衰え、ちょっとした切傷でも数か月痛みがあり、その跡は多分消えることはありません。つまり全てにおいてやり直しが効かない、ケガをしたらそれでもうこの先自転車には乗れなくなる、というのが若い人との決定的な違いだと思います。

またロードバイクでサイクリングロードを走っていて、こちらが加害者になることは十分考えられます。今までそれほど速いスピードで走っていなくても、アッアブナイ! と思ったことは結構あります。

例えば多摩川サイクリングロードなどは、人が3人横に並べばその横をすり抜けることができないような狭いレーンです。歩行者やママチャリを追い越すときにはその動きを予測して追い越すのですが、時としていきなり右側に出てくることが結構あります。その理由はいろいろあるのでしょうが、少なくとも後ろから来る自転車にはまったく意識がないと思われる動きです。

この場合急ブレーキで止まる、ということはできません。そもそもバイクのブレーキは「ブレーキ」ではなく減速装置なので、無理やりブレーキをかければバイクは吹っ飛んでしまいます。従って不意に動いたその横を避けるには道路肩に出ることになり、運が悪いと転倒することになります。

また立ち止まってハナシをしている小さい子供連れのお母さんや、犬を連れている人も要注意です。立ちバナシのお母さんは横で子供があちこちに歩き回るのを見ていません。また犬は当然ながら繋がれているロープの範囲内で自由なのであちこちに動き回りその動きが予測できません。

そこで自転車保険に加入するのが勧められるのですが(2019年夏に東京都が条例で加入を義務付けるそうです)、同じお金を払うのなら賠償範囲が広い個人賠償保険がおススメです。

この保険は自転車はもちろん、他のスポーツでも、庭仕事でも、何でも他人に損害を与えた場合に対する保険で、他にも買い物で店の陳列品を壊した、水漏れで階下の部屋に損害を与えたなど、あらゆる対物・対人障害がその賠償対象になります。さらにこの保険は生計を同じとする家族全員に適用されるので、年間数千円の掛け金では安いくらいです。

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