このハンドルバーは右図のように牛の角のような形状で、本来はトライアスロンやタイムライアル(TT)競技用のものです。 一方このハンドルバーは、フラットハンドルの先に付けたバーエンドバーを伸ばし、先端を少し上に持ち上げた形状として、主にクロスバイクやミニベロ(小径車)のオシャレな改造にも用いられます。 |
ドロップハンドルでは、競技などの下ハンを握る場合以外では、右図のようにSTIの上の部分(ブラケット)を握ります。そしてブレーキレバーは人差し指と中指でレバーの中間付近を引くことになります。 しかしこの位置はレバーの支点近くであるため、テコの原理で力が入らない所を引くことになります。つまり本来下ハンを握った時にレバーの先端を引く構造になっているために、それ以外では止むを得ずこのような形になる、ということです。 この様なブレーキ操作は、特に手が小さかったり握力がない場合は非常に苦労します。また下り坂などでスピードを確実に落とすためには、レバーの先端を引くために慣れない下ハンを握る場面も生じます。 |
このブルホーンハンドルは幅400mm、リーチ140mmのカーボン製で、中央から少し下にベントして平面になる形状が、なかなかカッコ良く見えるハンドルです。また170gと軽量で、換装前のドロップハンドルが340gなので、なんと1/2の軽量化になりました。 このハンドルは常に手を置く部分がタイラな形状になっており、ウエットタイプのバーテープの柔らかさとも相まって、握った感触がとても良く、また手に来る衝撃もカーボンのおかげでだいぶ軽減されます。 |
STIをそのまま取り付けた場合のワイヤー |
この作業で一番難しく、良く指摘されるのがSTIから出るブレーキとシフトワイヤーの処理です。 このワイヤーは、ドロップハンドルに取り付けた時にハンドルに沿わせるように出ていますが、これをブルホーンの先端に取り付けると、右のように真上に出ることになりスムーズにハンドルに沿わせることは難しい、というものです。 ワイヤーを無理やり曲げてハンドルに沿わせると、曲がった部分の抵抗で引きが重くなる、というのがその理由です。 そのためこの部分に金属製のパイプを曲げて使うなどの工夫が見られますが、ここではそのまま曲げてテープで止めて見ました。 |
ワイヤーをそのままテープで巻きつける |
この方法でも特にブレーキの引きが重くなることはもちろん、ギアチェンジレバーの引きも問題ありません。また何回か脱着を繰り返していますが、ワイヤーが痛んでいるような痕跡も見られないので問題は無いと思います。 バーテープの巻き始めはハンドルトップからですが、下ハンが無いので約1/3ほどが余ります。そのままカットしても良いのですが、往復で巻くと全体を覆うことになるので、巻く時のテープの重ねは無くても良いことになり、特にハンドルの曲りの部分を簡単に巻くことができます。 |
バーテープの処理で見た目も問題なく仕上がる |
またハンドル中央でテープを戻していく部分をビニールテープなどで固定する必要がありません。最後のテープの固定はハンドルトップの下、つまりSTIカバーの下になりキレイに仕上がります。 なおワイヤーを曲げた部分がやや膨らみますが、右図のようにバーテープをうまく重ねて巻くことで、見た目ではワイヤーがハンドルからはみ出ているような厚みもなく、ドロップハンドルと同様な感じに仕上げることができます。 |
ブルホーンハンドルバーにすると、右のように自然にブラケットより手前の位置を握るようになります。ここはドロップハンドルではリラックスポジションになる位置だと思いますが、このためライディングスタイルは少しアップライトの姿勢になります。 しかしこの状態で、向い風がキツイ時や坂などで頑張る時は、そのまま手をブラケットまで伸ばすと前傾姿勢をキツクすることができます。 またその場合でも、ブレーキレバーをそのまま握ることで、容易にブレーキ操作ができます。 |
新しいライディングコンセプト「メトレア」 |
またこのようなライディングスタイルについて興味深いハナシがあります。 2016年にロードバイクとクロスバイクとの間をコンセプトとするメトレアというコンポーネントがシマノから発表されました。 これは右の図で赤色のスタイルで示されており、乗車姿勢が左のクロスバイクと右のロードバイクの間に来ることを表現しています。 |