◆ 適正なサイズを選ぶ ◆

            ・適応身長とフレームサイズ
            ・水平換算トップチューブ長
            ・身体寸法と前傾姿勢

  
ロードバイクを乗り回すまで仕入れたさまざまなコトを整理してまとめてみました。
最初にこれだけ知っていれば、安心してロードバイクを始められるようになると思います。 

○適応身長とフレームサイズ

ロードバイクに乗るには、自分の身体寸法に合ったフレームサイズのバイクを選択することが必須になります。しかし実際にサイズを選ぶ場合、カタログに記載されている適応身長で選べばよいのかどうか良く分からないと思います。
この適応身長は、サドルの最下端と最上端でペダルを回すこ
とができる身長の範囲を示しているものと思われます。従っ
身長に対する足の長さ・股下の寸法が人により(人種によ
り?)異なるので、この適応身長は文字通り
参考値となるわ
けです。


一方昔のロードバイクは(現在のクロモリなどの金属製フレ
ームも)、右図のようにトップチューブが地面と水平になっ
ており(ホリゾンタルトップチューブ)、この場合適応する
身長(股下)の範囲はこのシートチューブ長で決まり、この
長さを
フレームサイズとして表記しています
しかし現在アルミやカーボンフレームのほとんどのモデルは、右図のようにトップチューブが傾斜しているので(スローピング)、当然シートチューブ長はサイズより小さくなりますが、このシートチューブ長をサイズと表記しているメーカーもある一方で、スローピングでも本来のサイズを表記しているメーカーもあり、最初は良く分からなくなります。

そこでトップチューブが水平と仮定した長さを水平換算トップチューブ長として、この寸法でサイズを選択する方法が一般的になっています。

(スローピングには、1つのフレームで乗れる適応身長の幅を大きくとることによってサイズ展開を少なくできる、というメーカーの販売事情もあります。ロードバイクが一般大衆化している現在では当然なのでしょうが、本来はその人の身体寸法に合わせてフレームを作る、というのが基本でした。しかし趣味の範囲では適切なサイズを選び、部品を交換するなどして自分に合わせていく、というのがリーズナブルだと思います)

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○水平換算トップチューブ長

具体的にこの最適なサイズについて調べるには、日本人の体形(胴長、短足?)に合わせたブリジストンのアンカーというモデルの寸法が良い参考になります(下図)。


これを見ると、例えば身長165cmの場合は、C-Cが518mmのサイズ510が適していることが分かりますが、自分の股下寸法からその上または下のサイズを選択した方が良い場合もあります。

これよりどのメーカーのモデルでも適応身長やサイズで選ぶのではなく、このC-Cの値が一致するフレームサイズで良いことになります(今まで見た範囲では、欧米メーカーまたは欧米ユーザーを想定しているメーカーのモデルでは、適応身長が一致するサイズの1つ下のサイズを選ぶのが無難なようです)。

ブリジストン・アンカーのように日本人ユーザーを想定しているモデルは、この表のように小さいサイズについても用意されていますが、欧米メーカーや欧米ユーザーを想定しているメーカーのサイズ展開を見ると、ユーザーの身長が大体170cm以上の範囲を対象としているようで、平均的に背が低い高齢者では、一番下のサイズかサイズ外になる(つまり乗れない)ことがあると思います。この場合は最近増えてきた全体のサイズが小さい女性用モデルも対象になります。

ロードバイクの前傾姿勢を低くするには一般的にハンドル高を下げていくのですが、これは当然車輪の大きさから限界があり、十分な前傾姿勢がとれる身長の下限があると思われます。
これより自転車レースにはある程度の身長が必要になってくるので、車輪の直径が700cmのロードバイクには身長170cm〜という数値が自然と出てくるのではないでしょうか?)

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○身体寸法と前傾姿勢

以上のようにサイズを選択するには自分の身体寸法を知ることが必要ですが、特に重要なのは股下胴及び腕の長さです。この寸法を自分で正確に測るのは結構難しく、一度専門店で測ってみられることをオススメします。ほとんどの専門店では機械を使い有料で測ってくれますが、もしバイクを購入する場合には無料になることが多いです(ちゃんとした店では、購入時はまず身体寸法測定から始めます)。

なお日本人男性の平均寸法は、例えば身長165cmでは、股下の長さは765cm、胴は577cm、右腕/左腕は620/616cm、肩幅は385cmだそうです。
それではこの165cmの平均寸法ではどのような前傾姿勢になるのでしょうか?

これはまずサドルとハンドルが同じ高さにあるとして、
左斜辺=腕の長さ
右斜辺=胴長と底辺=トップチューブ長+ステム長+ハンドルリーチの三角形から前傾角度(水平線と胴の成す角度)を求めてみました。

その結果各辺の数値をそれぞれ、
左斜辺=577cm
右斜辺=616cm+518cm+90cm+140cm とすると、
前傾角度は約54°となります。
一般にロードバイクの乗車姿勢では、この前傾角度は45°〜30°とされていますが、この状態で下ハンを握ると、ハンドル高が約10cm下がった場合と同じになり、前傾角度は約45°になります(なおブラケットを握った状態で45°にするには、ステムを6cm伸ばし、ハンドルを5cm下げることになる)。

しかし高齢者の場合では、最初はこのようにサドルとハンドルを同じ高さにしておいて、慣れるにしたがってハンドルを少しづつ下げていくのが良いと思いますが、レースなど高速のスピード(30km/h〜)で走ることを目的としない限り、このままの楽な姿勢で走るのが体にも優しいと思います。

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