◆ロードバイクの構成部品◆  

               ・ロードバイクの素材
               ・コンポーネント
               ・ホイールとタイヤ
               ・ペダルとビンディング


   
ロードバイクを乗り回すまで仕入れたさまざまなコトを整理してまとめてみました。
最初にこれだけ知っていれば、安心してロードバイクを始められるようになると思います。 

○ロードバイクの素材

自転車は車体(フレーム)に車輪とハンドル、ブレーキ、ギアなどを組みつけた機械ですが、フレームの素材には主流のカーボンとアルミ、そして昔からのスチールがあります。

   アルミフレーム        カーボンフレーム       スチール(クロモリ)フレーム
カーボンの最大の特長は軽量であることですが、その他にカーボンロードはアルミロードに比べ振動吸収性が良いと言われています。なおアルミと言っても、前輪を支えるフォークやサドルを支えるシートポストがカーボン製であるモデルがほとんどなので、多くのクロスバイクのように全アルミのモデルとは異なります。

初めてのロードバイクはアルミがいいか、カーボンにした方がいいか、という内容の記事は非常に多いのですが、初心者では軽いという以外に、振動吸収性や剛性感はあまり分からないと思います。なおカーボンのエントリークラスはグレードが一番低いカーボン素材を使っているのに対し、同じ価格帯のアルミはハイクラスのアルミ技術で作られています。

昔からある素材としてスチールがありますが、これは炭素鋼にクロム、マンガン、モリブデンなどが含まれた合金(CrMo)で、クロモリと呼ばれています。 最近のスポーツバイクの流行に伴って、数万円台のロードバイクがネットや量販店で売られていますが、その大部分はクロモリのフレームに低グレードのコンポ(または似たような部品)を装備したモノで、これらはロードバイク風自転車と言われる一般車の扱いです。

クロモリロードとされるのは、フレームに軽量化と強度を兼ね備えたパイプを使用しているモデルで、そのパイプ自体がブランド品(日本の有名なブランドもある)であり、フレームを購入してコンポを組み付ける、というのがこのジャンルの一般的な姿ですので、多分最初のロードバイクにクロモリフレームのバイクを選ぶ人は少ないと思います。

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○コンポーネント(この情報は2017年のものです)

バイクを構成する部品の内、ブレーキ・ギアチェンジレバー、ブレーキ系統、クランク・ギアなどの駆動系統をコンポーネントといいますが、その部品メーカーにはほぼ3社(日、伊、米)の製品が使われています。

その中で(日本で)最もメジャーなのは日本のシマノですが、コンポーネントにはグレードがあり、これを知らないとバイク選びができません。

ローバイクに採用されているシマノ・コンポーネントのグレードは次の4種類です(価格は2018春での実勢価格)。

 ・デュラエース  11速 約\200千円(非電動)
 ・アルテグラ   11速 約\96千円(非電動)
 ・105     11速 約\63千円
 ・ティアグラ   10速 約\55千円
  ----------------------------------------- 以下参考
 ・ソラ       9速  約\47千円
 ・クラリス     8速 約\36千円
 (廉価版としてさらに下に1種類ある)
コンポーネントのグレードが上がるにつれ重量は軽くなり、機械部品としての精緻さがアップします。これは操作性や耐久性に現れ、グレードが高い方が操作が楽になりますので、非力な高齢者にはなるべく上のグレードが良いでしょう。
具体的には価格重視ではティアグラ、できれば105、さらにお金があればアルテグラにしたいです。

各メーカーのモデルを見ると、同じフレームで価格が3〜4種類違うものが並んでいますが、その違いは主にこのコンポーネントのグレードによります。さらに見た目の価格を下げるために、クランクやブレーキ部品に安いものを使っていることも多いので、コンポーネントについては知っておく必要があります。

ここ数年前ぐらいからですが、ディスクブレーキを採用したコンポが登場しています。ディスクブレーキは雨中や非舗装路、ダウンヒルなどでの安全性を高めることができ、油圧方式では特に握力が弱いシニア・女性にとってはブレーキレバーの操作が非常に楽で、かつ従来のリムブレーキでは難しかった細かい制動力のコントロールができます。
ただし重量が増加するのと、ディスクブレーキ対応のホイール及びブレーキ・シフトレバーが必要になりますのでかなり高額になります。
(2019年初夏現在、シマノのロード向けコンポではティアグラ以上に油圧ディスクブレーキのコンポ・モデルがある)

またギアチェンジを電気的に行うコンポもアルテグラ以上に登場しています。これはワイヤーでディレイラーを引っ張る代わりにモーターで制御するので、その調整はレバーの引きに関係なくなります。また操作感は引くから(スイッチを)押す感じになり、新しさが感じられますが、価格はアルテグラで2倍弱とハネ上がります。

ここまでくると、今までのワイヤーの代わりに信号コードを張るのではなく、ワイヤレスで動かしてほしいものですね(と思っていたらあるメーカーから出ました!)。

自転車は他の機械が次々と電子化されるのに対して、「それを排除した機械そのものである点が好きだ」という方も多いかと思いますが、サイクルコンピュータやスマホを使うことがフツーになっている現在、どちらかといえば、どんどん進化していくバイクにも乗ってみたいと思います。

なお現在ではギアチェンジレバーとブレーキが一体化した操作レバー(シマノではSTIと呼ぶ)のコンポが一般的ですが、ブレーキとギアチャンジが別々で、かつダブルレバーと呼ばれるギアチェンジレバーがダウンチューブに装着され、マニュアル的に操作する昔ながらのコンポ部品も販売されています。

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○ホイールとタイヤについて

完成車として売っているモデルには、そのフレーム素材やコンポーネントなどのレベルに比べ、あまり良いホイール(タイヤも)はついていません。例えばエントリークラスのアルミバイクでは2kg前後のホイールが、またミドルクラスのカーボンモデルでさえも、それより少し軽いホイールしか付いていません。これは低価格のホイールやタイヤで見た目の価格を下げているためです。

このためほとんどの人は最初から付いているホイールを軽量なものに交換することがフツーです。

ホイールを軽いものに交換するとまったく別のバイクのようになり、これはコンポのグレードアップより断然効果があります。

例えばティアグラ10Sを105の11Sに換装しても、スピードはもちろん軽く走れるようになることはほとんどありません。
しかし今より2〜300g軽いホイールに変えると漕ぎ出しが軽くなり、坂道の上りが楽になります。
しかし軽量のホイールは安くはありません。価格は重量で決まっていくような所がありますが、エントリークラスでは少なくとも車体価格の半分以上の出費は覚悟することになるでしょう。

なお後輪のホイールには9/10速用と11速用があり、11速用ホイールに10速のカセットスプロケット(後輪のギア)は使えますが、その逆は原則としてできません(裏ワザはあります)ので、特に中古を購入する時は注意が必要です。

タイヤにはチューブを内包するクリンチャータイヤの他にチューブラータイヤとチューブレスタイヤがありますが、完成車のほとんどはクリンチャータイプです(他はホイール自体の形式が異なる)。タイヤはその横幅から23C(23mm)などと表しますが、ロードバイクのタイヤは一般的に23Cか25Cのものが使われ、タイヤ表面は溝がないスリックと呼ばれるツルツル形状です(以前はロードバイク=細いタイヤ=23Cが当たり前でしたが、最近では25Cの方が速度面でも有利との説が言われています)。

                          ロードバイクに溝付き32Cのタイヤを履かせる
しかし最近ではクロスバイクに使われる28Cや32Cの太い
タイヤを履き、タイヤ表面も溝が付いたグラベルロード
(砂利道、不整地)用のロードバイクが登場しています。

太い溝付きタイヤを履くと、漕ぎ出しや坂では不利になり
ますが、不整地走行での安定感や乗り心地がバツグンに良
くなり、また耐パンク性能も向上し、さらに空気圧も低い
ので空気を入れる手間がやや軽減します。
一般的にタイヤの空気圧は細くなるほど高く、エイヤ!とすると23C、25C、28C、32C、35Cの順で、それぞれ8、7(100psi)、6、5、4気圧になります。また23Cや25Cでは自然な空気圧減少が大きいので、走るたびに入れなおす(追加する)ことになります。なお耐パンク性能が良いタイヤは固いものがほとんどで、タイヤの脱着には結構苦労しますので購入前にそのカクゴも必要でしょう。
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○ペダルとビンディング
一般的にはバイクの構成部品の中には入らないのですが、必ず必要なものとしてペダルがあります。

初めてバイクを購入した時にオヤッと思ったのは、ペダルが最初から付いておらず、別売りになっていることでした。 後になって分かったのですが、誤解を承知で言えば、最初からペダルが付いているロードバイクは一般向け、というより「ロードバイク風自転車」であるといえるかもしれません。


ペダルには大きく分けてフラットペダル(フツーのペダル)とビンディングペダルがあります。後者は足をペダルに半固定する専用のシューズを履くのですが、一般的にスポーツバイクではこのペダルが使われます。ビンディングペダルにはシマノのSPDとSPD−SLの2種類があり、SPDペダルはMTB用、SPD-SLペダルはロードバイク用です。


      SPDペダルの例      SPDクリート          SPD-SLペダルの例
SPDとSPD-SLはペダルに差し込む靴に装着された金具(クリート)の形状と、クリートを靴底に装着する穴の数が違います。またSPDではクリートが靴が地面に着く面とほぼ同程度になっているのに対し、SPD-SLではクリートが靴底から突き出ているので、そのまま履いて歩く場合どうしてもペンギン歩きになります。

ビンディング性能からいえばSPD-SLの方が良いのですが、ペダルからの脱着はSPDの方が容易で、またビンディングシューズを履いたまま歩くことを考えると年寄りにはロードバイクでもSPDの方が良いと思います。

     SPDシューズの例             SPD-SLシューズの例(SPDクリートも取付け可)
またSPDペダルには、脱着をより簡単にした初心者向けのクリッカーペダルもあります。クリッカーペダルは片面がフラットになっており、街乗りなどゴーストップが多いシーンでは便利だと思いますが、やや重いのが難点です。

なおSPDペダルにも片面がフラットのものがあり、割合人気がありますが、フラット側を踏んだ場合クリートが滑って安定なぺダリングができない形状のものもありますので購入には注意が必要です。
ビンディングペダルでは靴がペダルに半固定されているため、交差点やとっさの時に靴をペダルから外さなくてはなりませんが、ビンディングペダルを使うと足を引き上げる時にも力が使えるため、特に坂道でその効果が実感できます

また全ての人に当てはまるかどうかは分かりませんが、足が多少ともガニ股の場合、ビンディングでは足が強制的にフレームと平行になるため、より効率的なぺダリングになるものと思われます(そのようにクリートを調整する)。

ただしこれにまだ慣れていない初めの内や、通勤通学などで街中のゴーストップが多い場合、あまり速度を出さずに巡行することが多い場合には、無理にビンディングペダルを使う必要は無いと思います。


この様な場合、ごくフツーの形状の他に右図のようなスパイク(釘)が付いているフラットペダルがあります。

このペダルはロードバイク用として軽量で小さく、フツーの靴でも靴の裏がペダルに吸い付いているような感覚があり、ぺダリングがうまくなったような気がしますので、もしビンディングはどうも、と思われる場合には特にオススメです。

ビンディングペダルは非力な年寄りには大いに力になると思いますが、ビンディングシューズは足を強く固定することになるので足への疲れが増す場合もあります。

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