一般的に水槽は居間や玄関など、インテリアとして置かれる場合がほとんどですが、だんだん飼育する魚が多くなるにつれ水槽の数が増え、置く場所がなくなっていくというパターンになります。
それと同時に水替えをはじめとしたメンテナンスが煩雑になり、またそれに必要な道具、消耗品の類の置き場所も必要となり、さらにニオイ、音なども許容範囲を越えてくると、ついには同居人から「撤去の大号令」が発せられます。
我が家もこのパターンそのものの経緯から、室内にあった5つの水槽を全て室外に移設することになりました。移設先はガレージの後ろ部分を雨がかからないように囲ったサイクルベース(自転車保管・メンテナンス小屋)です。
水槽移設先のサイクルベース | |||
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またこの場所は家屋の東側になり、南側には樹木が生い茂っているため陽が当たる時間が短い点と、南北にある扉を開けると風が通り抜けるため夏の高温時にも有利になります。また冬季では扉を閉めることで屋外と多少の温度差が稼げます。
■ 半屋外(小屋内)飼育のメリットとデメリット
水槽を室外に出すことのメリットは次のように考えられます。
・水槽のニオイ、音を気にする必要がなくなる。
・水替えなどのメインテナンスで、水のこぼれなどを気にする必要がなくなる。
・ごみ(水草などの切片)をそのまま捨てることができる。
・水槽が集中的に配置されるので比較やメンテナンス、魚の移動が楽になる。
・給排水の半自動化により60cm水槽でも挿し水や水替えがとても楽になる。
・自然光により個々の水槽の照明がいらない。
・水槽台が倒れる様な地震に対して(水の拡散、ガラスの破損など)家屋の被害が少ない
水槽を外に出す直接的な理由は、ニオイやフィルターポンプやエアポンプの音が限界に来たことと、地震対策ですが、いざ外に出して並べてみてみるといろいろなメリットがあることが分かりました。
特に大きかったのは水替え時の排水と給水です。今まで10Lを越える水をバケツにためて捨てに行く作業と、換え水を蛇口(風呂場)からバケツで運ぶ作業は大変でしたが、これを半自動化することができました。
またこのようなメインテナンスでは必ず水を床にこぼしたり(そのたびに雑巾でふき取る)、水草の切れ端などゴミを撤去することが日常でしたが、屋外では水こぼしは問題なくまたゴミ類はそのまま庭に放り投げることができます。
さらに水槽備品として光源が必需品ですが、自然光を利用することで基本的に光源は必要なく、また当然昼夜のタイマーも必要ないのでこの点も楽になります。
一方デメリットとしては
・夏の高温、冬の低温対策が必要。
・インテリア性がない(飼育するだけ)
・毎日の小屋訪問が天気にかかわらず必須。
・ホコリへの対策が必要。
・猫、トリ、昆虫などの水槽へのアクセスを防ぐ必要がある。
最大のデメリットは夏冬の温度管理です。デメリットというよりこの問題を解決できなければ屋外飼育はできません。またそもそもインテリアとしてアクアリウムを始めた場合は、このようなこと自体成立しません。
■水槽台の製作
最初にとりかかったのは水槽台の製作です。大きさは幅が180cm程度、奥行きが45cm程度で、高さは90cm前後になります。この台には60cm水槽2台と45cm水槽1台を上に置き、下には45cm〜50cm水槽を2台と物置台スペースを設けます。従って台の強度は3人以上の大人が乗っても大丈夫な程度の頑丈さが必要になります。
ユーチューブやWebを見るとたくさんの水槽台の自作記事がありますが、ほとんどが室内設置を前提にしたもので、ある程度の美観を重視するため4隅の脚で支えるテーブル構造になります。この場合水槽の重量を支えるため、4隅の脚は2重構造で強度を持たせ、また横に張る梁がそれなりのものになります。
しかしここで製作する台は小屋の中に設置するので、美観は関係なくただ頑丈であれば良いことから、脚として2本追加して4本脚にすることにしました。材料は2X4材を使っていますが、テーブル構造での2重構造脚は必要なく、1本で良いことから工作がグンと簡単になります。
水槽台の製作(脚構造) | |||
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台上には6mm厚の規格合板を半分に切って張り付け、その上をビニール膜で覆って一応水対策をしています。また下部の2/3には30cm幅の棚板を張って水槽が置けるようにしてあり、一番右は保管場所として残りの合板を使って2つの棚を作りました。
またこの台自体は、奥に見える家屋の壁2か所にアンカーを打って固定し、万が一強い地震がきても倒れることがないようにしてあります。また下部の背面には目隠しとして白色のプラダンを張り付けました。
合板を張る 保温対策用のスタイロフォームはめ込み枠 | |||
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断熱材のスタイロフォーム |
次に冬季の保温対策としてこの台の上全体を断熱材のスタイロフォームで覆うことにしました。 そのため台上に角材で箱状の枠を取付け、その枠内にスタイロファームをはめ込んでいます。まだ厳冬期を経験していないので何とも言えませんが、この中を少なくとも10℃以上に維持することを目指しています。 また水槽を置く合板の上には、クッションフロア材を敷き詰め下からの断熱を目論んでいます。 |
■らくらく給排水
■水温計測
■ハイドロカルチャー
■夏季の水槽空冷ファン